年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 私はものすごく混乱していた。そうして混乱の中、思いついたままを矢継ぎ早に口走る。
「それはいらぬ心配だと思うがな。だが、仮に王妃の資質がなくとも、微笑んで俺の隣にいてくれれば、最低限王妃としての体裁が整う。あとは俺が王と王妃ふたつの責を担い、リリアを王妃として隣に立たせる」
 セラヴィンさんは、私の憂いを吹き飛ばすかのように力強く答える。しかもセラヴィンさんは、私を王妃に据える事に対し、一片の迷いも滲ませない。
「……もしも、私が王妃としての一番の役目を果たせない、……その時は?」
 口にして、こんな「もしも」を問いかける自分の愚かさに眩暈がした。だけど気付いた時には、極限を悠に越えた混乱が、私に言わせていた。
「年齢等のタイミングは難しいが、最終的には臣下に嫁いだ叔母上の血筋から養子をとる事になるだろう。ただひとつ言える事は、俺はリリア以外に絶対に妃は娶らん」
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