年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 部屋では、ゴードン伯爵夫人が帰らずに、私の戻りを待っていた。夫人は私に気付くと、腰掛けていた応接ソファから立ち上がって歩み寄った。
「ありがとうございました。こんなに便利に加工された道具があるなんて、知りませんでした。おかげでとても快適に処置ができました」
「それはよかったわ」
 ゴードン伯爵夫人は優しく微笑んで私の肩をそっと抱き、応接ソファに促した。
「ねぇリリア様、不躾な事を聞くけれど、お母様や屋敷の侍女に手当ての仕方を教わった事はない?」
 並んで腰かけると、ゴードン伯爵夫人はやんわりと、事の核心を衝く質問を投げかけた。
 その口調は親身で、その眼差しは真摯だった。
「……ありません。そもそも月の障りの事は、お母様はもちろん屋敷の誰にも話していないので。だけど、なんとなくですが、お母様は私に月の障りが訪れた事を知っていたような気もします。お母様は知った上で、あえて見て見ぬ振りをしていたのではないかと」
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