年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「勝手になさい。素人の手で作られた菓子など、私は口にしたくもない」
車窓から移ろう景色を眺めていたお母様は、私を振り返りもせずに、吐き捨てるように答えた。私はお母様の許しを得て、正式に私のものとなったバスケットをキュッと懐に抱き締めた。
「はい」
……素人の手と、お母様はスコット子爵夫人の手作りの品に侮蔑を込めた。だけど、私はかつてお母様の手で作られた料理を口にした事もある。そして当時は、お母様自身、父を始め、家族に料理を供すために、その手を水や土で汚す事を厭ってはいなかった――。
現在スチュワード辺境伯夫人であるお母様は、元はデルデ公国の伯爵家の生まれだ。しかし、婚約を直前に控えた十七歳の時、ガラス窓の入れ替えでやってきたガラス職人のお父さんと出会った。大恋愛の末に駆け落ちし、お母様はお父さんの実家のあるニルベルグ王国で、ガラス工房の女房になった。
車窓から移ろう景色を眺めていたお母様は、私を振り返りもせずに、吐き捨てるように答えた。私はお母様の許しを得て、正式に私のものとなったバスケットをキュッと懐に抱き締めた。
「はい」
……素人の手と、お母様はスコット子爵夫人の手作りの品に侮蔑を込めた。だけど、私はかつてお母様の手で作られた料理を口にした事もある。そして当時は、お母様自身、父を始め、家族に料理を供すために、その手を水や土で汚す事を厭ってはいなかった――。
現在スチュワード辺境伯夫人であるお母様は、元はデルデ公国の伯爵家の生まれだ。しかし、婚約を直前に控えた十七歳の時、ガラス窓の入れ替えでやってきたガラス職人のお父さんと出会った。大恋愛の末に駆け落ちし、お母様はお父さんの実家のあるニルベルグ王国で、ガラス工房の女房になった。