年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 私もかつて、空腹にキリキリと痛む胃腑を抑えながら、トンボ玉をしゃぶってみた事もある。だけど少なくとも、私は命の危険に怯えて過ごす状況ではなかった。
 私は本当の意味で、セラヴィンさんが過ごした九年にも及ぶ逃亡生活の苦しさを理解する事は出来ない。
 それでも血の繋がった叔父さんに父兄を殺されて、自らも命を狙われながら、九年もの逃避行に身を窶す……。セラヴィンさんの苦しみを思えば、目に熱い物が滲んだ。
「セラヴィンさん、私はこれまでずっと神様を恨みながら生きてきました。状況の苦しさに、神様の所業を恨みました。……だけど今、私は神様に感謝してもしきれません。セラヴィンさんを生き永らえさせてくれた神様に、私は今、心からの感謝を捧げたいです」
 眦で極限まで膨らんだ涙が、ホロリと零れ落ちる。私は慌てて俯いて、手の甲でそっと拭った。
 すると、頭の上にポンッと温かな手の感触が落ちる。
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