年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 デルデ公国を出る時に約束した通り、スコット子爵夫人とは定期的に手紙のやり取りを続けている。したためる内容は日々の暮らしに関する事がほとんどで、たまにお妃教育に対して泣き言を漏らしてみる事もあった。
 今日の手紙は時節の挨拶から書き始め、次いでその後の体調を問う。二週間前にもらった手紙の中で、夫人が風邪をひいたと書いていたからだ。二週間が経って、良くなっているといいのだけれど……。
 そうしていつも通り、終盤に差し掛かってきたお妃教育の事など近況を書き綴れば、便箋一枚があっという間に文字で埋まる。
 特別に伝えたい事、相談したい事がなければ、普段はこれで手紙を締めくくる事が多かった。
 けれど今日は、迷わずに便箋の二枚目を取り出す。私は、スコット子爵夫人に聞いてもらいたかったのだ……。
 再び右手にペンを握る。
 しかし、いざ書き出そうとするとペンを持つ手が止まった。一旦ペンを置くと目を閉じて、ホゥっと大きく一息ついた。
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