年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 アーベルは途中から俺に聞かせる意図ではなく、高ぶりを隠し切れない様子で友に向かって叫んだ。
「ルドルフが妙な女に引っ掛かったというのはどういう事だ?」
 俺はアーベルが一呼吸置くのを待って問いかけた。
「すみません、つい興奮して……」
 アーベルは小さく謝罪を呟いて、滲む涙を乱暴に袖で拭った。
「……ルドルフの奴は、ずっと仕事一辺倒で独り身を貫いてきました。ただ、休みともなれば息抜きで歓楽街に足を運ぶ事もありました。それでもきちんと度は弁えていて、これまでは割り切った遊びで済んでいたんです。それが二週間ほど前、どうやらルドルフの奴、歓楽街で筋の悪い女にハマっちまったようで」
「筋の悪い女?」
「いえ、それはあくまで俺の主観です。ただ、その頃からルドルフは仕事中も上の空で、身が入ってない様子でした。あまりの入れあげように、女が何か意図を持って真面目なルドルフを口八丁手八丁に騙くらかしているじゃないかって、俺は訝しんでいたんです」
 ……歓楽街での出会い、直後に実行された毒物の混入。
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