年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
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昨日の園芸小屋の一件から、私はすっかり寝台上の住人になっていた。
「あの、先生? 私、もうすっかり大丈夫なんです。寝台から起きて過ごしては駄目ですか?」
一夜が明け、朝食後に傷の消毒にやって来た御殿医に、さりげなく水を向けてみる。
「いけません! 大事を取って、せめて明日いっぱいは我慢してくださいませ!」
「は、はい」
御殿医のあまりの勢いに、私は圧され気味に頷いた。
「……免疫力が落ちているのは事実。ここで万が一、リリア様が感染症にでも罹ろうものなら私が陛下に……」
傷の消毒を終えた御殿医が、私に背中を向けて道具を片付けながら呟く。しかしその声は、もごもごとくぐもって良く聞こえない。
「先生、なんですか?」
「いえいえ! なんでもございません! とにかく、リリア様には明日いっぱいは安静にお過ごしいただきますのであしからず!」
私が聞き返せば、御殿医は慌てた様子で先ほどと同じ台詞を繰り返し、鞄を手に逃げるように寝室を後にした。
あしからずって……。