年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 今こそ、私は母という大きな壁に向き合わなければならない。決断の時は近い――。





「飲み物をこちらに置くわね。それでねリリア様、これが昨夕届いていたようなの。王宮中が落ち着かない状況で、どうやら到着の報告が滞ってしまったみたい」
 お盆を手に部屋に戻ったゴードン伯爵夫人は、吸い口に入ったお茶をナイトテーブルに置いた後、お盆の上からさらに何かを取り上げた。
 差し出されたのは、一通の封筒だった。
「手紙ですか? どなたから……、えっ!? これ、スコット子爵夫人からです!」
 受け取って、後ろに書かれた送り主の名前を見た私は驚きの声を上げた。
 これまでにないくらい、返事の戻りが早かった。
 これが届いたのが昨日の夕方……。往復の配達時間を差し引けば、スコット子爵夫人は手紙を受け取ったその日の内に返事を認めて、すぐに送ってくれたに違いなかった。
「開封するわね」
「お願いします」
 ゴードン伯爵夫人が私に代わり、ペーパーナイフで封を切る。
「私は奥にいるわ」
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