年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 過ぎた過去は変えられない。だけど未来は、そうじゃない。
 一ヵ月後には、私も国政の中心に近い場所に身を置くことになる。私にできる事、私がするべき事、しっかりと考えよう。そうして正しく見定めて、ニルベルグ王国のために尽くそう。
「本当に、セラヴィン様はよいお妃様を選んだわ」
 私に向かい、ゴードン伯爵夫人が感慨深げに呟く。
「……何か温かい飲み物でも入れてきますね」
 夫人は優し気に微笑むとレースのカーテンだけ引いて、お茶の用意に消えた。
 ……セラヴィンさんに望まれて、天にも昇るくらい嬉しかった。だけど直後、セラヴィンさんの身分を知り、セラヴィンさんの想いを受け入れる重みに震えた。
 それでも、私にセラヴィンさんを諦める選択肢はなかった。私はセラヴィンさんの手を取りながら、固く誓った。
「良き妻、良き王妃となれるよう、私はそのためのあらゆる努力を厭わない」
 かつての誓いを改めて口にする。
 そこへの一歩を踏み出す為、私には越えなければならない壁がある。
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