年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 そうして幾度目かに文面を辿っていた時、ふと、その後の体調について何も書かれていない事に気付いた。
 なにも記されていないという事は、もうすっかりいいのかな?
 ……大事にならなくてよかった。
 私はそう解釈し、長く握っていた便箋を丁寧に畳んで封筒にしまい、寝台脇のナイトテーブルに置いた。
 ――コンッ、コンッ。
 部屋の扉が叩かれたのは、まさにそんなタイミング。
「具合はどうだ?」
 扉から顔を覗かせたのはセラヴィンさんで、何故かその腕には見慣れない総レースの布地が掛かっていた。
「もう、すっかりいいんです。元気なのに、私が寝台から起き上がろとすると、皆さん目くじらを立てるんです。これって、セラヴィンさんが皆さんに過剰な注意喚起をしているからだと思うんですよね」
 私はわざと唇を尖らせて、セラヴィンさんへの不満を口にした。
「はははっ! なるほど、リリアは俺に食って掛かれるくらい回復したとみえる」
 セラヴィンさんは白い歯を見せて破顔した。
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