年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 祭壇の前へと、セラヴィンさんが先に一歩進み出る。私もセラヴィンさんに続き、同じ歩幅で踏み出した。
 ピンと背筋を伸ばし、セラヴィンさんの隣に並んで大広間を埋め尽くす列席客を臨む。
 ……あぁ。これが、セラヴィンさんの隣から見る景色――。
 セラヴィンさんの隣に並んで見る景色は、これまでとは違っていた。圧し掛かる責任と緊張に足が震えそうになるのを、意思の力で堪えた。
 だけど心の震えは止められなかった。胸に木霊す歓喜が、心を熱く震わせていた。
 こうして多くの祝福が降り注ぐ中で、私は正式にリリア・ニルベルグの名前を授かり、セラヴィンさんの妻に、そしてニルベルグ王国の王妃となった。


< 286 / 291 >

この作品をシェア

pagetop