年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 セラヴィンさんは眉間に皺を寄せた。
「はい。ここは、お義父様が目覚める前に燃やします。手伝ってもらってもいいですか?」
 このまま残しておいても、ここはもう私の憩いとしては機能しない。どころか、お義父様が目覚めた時、手入れされた空間と私が運び入れた品々を見られては火種にしかなり得ない。
「……っ、俺のせいか。俺が入り込んだばかりに、お前が憩いとしていたここの存在が知れてしまった……、本当にすまない!」
 セラヴィンさんは苦渋に歪んだ顔で、声を震わせた。
「やめてください! 忍び寄るお義父様の手から助けてもらって感謝こそすれ、セラヴィンさんに謝ってもらうのは違います。それに実を言うと、私は嬉しかったんです。あなたが私を案じて、私のために怒ってくれて、すごく嬉しかったんです。それからここを燃やすのは、ここがもう不要だからです。私はもう、ここに救いを見出さなくても日々を暮らしていける。だからここは、なくていいんです」
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