年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 私はこの時、憤りを隠そうとしないセラヴィンさんを前にして、ひどく不謹慎な感情を抱いていた。
 これまで、ずっと一人でお義父様の魔の手に怯えながら過ごしてきた。お義父様の所業に対し、救いの手を差し伸べようとする者はなく、忍び寄る魔の手に対抗する手段は逃げる事しかなかった。
 そんな中ではじめて、セラヴィンさんは盾となり、私をお義父様の魔の手から守ってくれた。私の身を案じて、私のために激しい怒りの炎を燃やす。その事が切ないくらいに嬉しくて、私の心と体をあふれるほどに熱くする。
「……セラヴィンさん、一年後で大丈夫です」
 ゆっくりと告げれば、セラヴィンさんが痛いくらい真剣な目を向ける。その瞳を見つめながら、私の中で認識が改まる。
 一年後の約束は、決して夢ではあり得ない。それはセラヴィンさんによって果たされる、未来なのだ。
「施錠をしっかりして、侍女らの目の届くところで過ごすようにして、これまで通り屋敷だけで十分に暮らしていけます」
「屋敷だけ、だと?」
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