年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
……駄目だな。もうとっくに諦めはついていると思ったんだけど。
自嘲気味に微笑んで、少しでも気を抜けば震えそうになる指先を、使者にバレぬようにキュッと握り込む。そうして緊張を逃がすように、ホゥッと小さくひと息吐いた。
私の吐息も内心の葛藤も、全てをカタカタという走行音に巻き込んで、馬車は順調にマクレガン侯爵家に向かって進んだ。
「まもなく到着でございます」
「はい」
到着を報せる使者の声が、まるでこの世の終わりでも告げられたように感じた。カラカラに渇いた喉でなんとか返事をして、降りる準備を整える。
馬車はマクレガン侯爵邸の敷地内を進み、屋敷玄関に横づけする形で止められた。侯爵家の玄関に出迎えの姿はなかった。
「出迎えがないとは何事だ? ……いや、随分と屋敷内が騒々しいな」
使者も出迎えがない事を訝しみ、御者が用意した踏み台に足を掛けながら首を捻っていた。
「リリア様、なにやら屋敷内がばたついているようで。出迎えもなく恐縮でございますが、なにとぞお気を悪くなさいませんよう」
自嘲気味に微笑んで、少しでも気を抜けば震えそうになる指先を、使者にバレぬようにキュッと握り込む。そうして緊張を逃がすように、ホゥッと小さくひと息吐いた。
私の吐息も内心の葛藤も、全てをカタカタという走行音に巻き込んで、馬車は順調にマクレガン侯爵家に向かって進んだ。
「まもなく到着でございます」
「はい」
到着を報せる使者の声が、まるでこの世の終わりでも告げられたように感じた。カラカラに渇いた喉でなんとか返事をして、降りる準備を整える。
馬車はマクレガン侯爵邸の敷地内を進み、屋敷玄関に横づけする形で止められた。侯爵家の玄関に出迎えの姿はなかった。
「出迎えがないとは何事だ? ……いや、随分と屋敷内が騒々しいな」
使者も出迎えがない事を訝しみ、御者が用意した踏み台に足を掛けながら首を捻っていた。
「リリア様、なにやら屋敷内がばたついているようで。出迎えもなく恐縮でございますが、なにとぞお気を悪くなさいませんよう」