年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 え? な、なに?
 私はますます、こんがらがった。
「改めましてリリア嬢、俺はニルベルグ王国将軍のルーカスだ。あんたの事はセラヴィンから耳にタコができるほど聞かされていたからか、初めて会った気がしない。だが、実際にこうして会ってみると、誇張でもなんでもなく、あんたは魅力的だ。もしセラヴィンに愛想が尽きたら言ってくれ」
 目の前にズイッと差し出された、節のある分厚い右手。
 え、ええっと……。
「は、はじめましてルーカスさん。あの、私がセラヴィンさんに愛想を尽かす事はありませんが、もし私がセラヴィンさんに愛想を尽かされてしまったら、その時は相談させてもらうようにします」
「はっ! ははははっ!」
 ルーカスさんの手にそっと自分の右手を重ねながら答えれば、何故かルーカスさんは、肩を揺らして笑い出す。
「いや、なるほど! あんたはやはり、セラヴィンが惚れ込んだだけの事はある」
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