【過激派刑事ドラマ】四国州

【南海道電力経営破綻!!】

(ガシャーン!!ガシャーン!!ワーッ!!ワーッ!!)

南海道電力の本社のエントランスホールにて座り込みをしていた従業員さんたちが暴徒化した。

暴徒化してしまった従業員さんたちは、会社の備品や重役クラスの幹部の部屋や社長室と副社長室に侵入して、金目の物を強奪した。

副社長と残っている常務たちは『ストライキを起こした従業員たちが100パーセント悪いことに変わりはない!!暴動略奪を起こして会社に損害を与えたから、1000京円(せんけいえん)の損害賠償請求を起こす!!』と言うてますますイコジになった。

202A年11月20日に、四国州の弁護士会の破産管財人が南海道電力が経営破綻におちいる危険性が高まったので、東京地裁に破産宣告を申請すると発表した。

それを聞いた副社長と残っている常務たちは、勝手に破産申請を出した四国州の弁護士会を憲法裁判所へ提訴した。

夕方4時55分頃のことであった。

南海道電力本社内で、記者会見が開かれた。

企業は、経営を続けて行くことができなくなった。

記者会見場にいるのは、四国州弁護士会の弁護士さんだけであった。

破産管財人の代表は『副社長と残っている常務たちは体調不良で入院したので、記者会見場に来ることができない…』と言うたあと、経営破綻に至ったいきさつを説明した。

記者会見は、わずか5分で終了した。

テレビの画面は、南海道電力の本社の前に切り替わって、東京の報道スタジオのアナウンサーと女性アナウンサーがやり取りしていた。

その時であった。

テレビ局のスタッフさんが、あわてた表情でニュース原稿を持ってきた。

ニュース原稿を手にした女性アナウンサーは、切羽詰まった声でニュースを読み上げた。

「たった今入って来たニュースです!!先ほど午後5時過ぎに高松市庵治区の山林で、大学生の男が小学生の女子児童を殺して、逃げようとしていたところを、駆けつけてきた警察官6人に取り押さえられて逮捕されました…容疑者の大学生の男は、南海道電力の副社長のひとり息子です…繰り返します!!…」

この時、副社長のひとり息子が庵治区内の山林で小学生の女子児童を死なせた事件を起こして、殺人罪で逮捕されたニュースが伝えられた。

南海道電力本社のビルの入り口にて取材中の記者たちは、ケータイで各報道機関に知らせていた。

しかし、誘拐された副社長のひとり娘は今も行方不明のままだ。

事態は、さらに混沌としていた。
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