溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
とんでもないことを言いだす真希ちゃんに、私、全力で否定する。


そんなの、誤解だってされたくないよ~。


「じゃあ、なんの用だったの?」


「それは……」


口をもごもごさせていると、「あやし~」と詰め寄られる。


うう、困った。


思い切って話しちゃう?


朔くんには口留めされてるしなぁ……。


でも、ふたりは口が固いしうわさ話が好きなタイプじゃないから。


「あのね、ぜーったいに誰にも言わないでね!」


私はそう念を押して、ふたりに同居の真相を話してしまった。


「……は?」


「マジで?」


ふたりの反応は、まあ思った通り。


意外にも冷静……? っていうか、驚きすぎて声も出ない?


そりゃそうだよね、あの朔くんだもんね。


キーンコーン……


そのとき、昼休み終了を告げるチャイムが響いてきて。


「あっ。次の時間プールじゃん! 早く着替えなきゃ! 詳しくは後でゆっくり聞かせてもらうから!」


「そうね、遅刻するわけにはいかないわ」


私はふたりに引きづられるようにして、校舎の中へ戻った。
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