溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
カバンを取り上げられたから、スマホもなく、誰にも連絡出来ない。


今日は、あんまり天気がよくない。


空は雲で覆われていて、いつものこの時間よりも暗かった。


なんとなく、怪しい雲行きに不安を感じていると。


雨の匂いがしてきた。


そう言えば、今夜は雨が降るってお天気お姉さんが言ってたっけ。


そんなことを思っていると


「あっ……」


頬に冷たい雫が落ちてきた。


やがてそれは勢いを増して、灰色の針のような雨があとからあとから降ってくる。
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