溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
それにしても鍵もかけねえで、不用心だな……。


家の中は薄暗く静まりかえっていて、人の気配がしない。


自分の部屋にこもってんのか?


ほんの少し開いたリビングからは、青白い光が漏れていた。


なんだ?


ほんの少し開いた扉をそっと押すと……。


「……っ」


相沢が、ソファに座ってテレビを見ていた。


「ぐすん……ぐすん……」


泣いてるのか……?


鼻をすすりながら、目元を指で覆っているように見える。


胸がドクンと跳ねた。


電気も付けないで、テレビに見入って泣いてるって……。


姉貴が2人いる俺だって、そんな姿見たことねえ。


切なそうな表情で画面に釘づけになっているその横顔から、なぜか目を離せなくなる。


胸の奥を掻き立てられるような不思議な感覚が俺を襲って。
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