Your Princess
自宅の前で、悲鳴を上げたまでは覚えている。
それから、どうやって戻ってきたのだろう。

気づけば、ベッドの上で倒れ込み。
ガタガタと震えていた。

夢であってほしいと目を閉じた。
家が火事だなんて…。
お父様とお母様はどこへ行ったんだろう?

お兄様が帰るところが、なくなってしまった。
「うぇ…」
ボトボトと涙が零れ出てくる。
あと、人生で。
どれだけの涙を流せばいいんだろう?
どれだけ、傷つけばいいのだろう。
誰を憎めばいいのだろう。
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