求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「やっぱりどう考えても、才賀君は適当な気持ちで女性に告白したりしない人だと思う。なにか……複雑な理由があったのかもしれないね」
二股に正当な理由があるとは思えないが、そうでも言わないと揺らいだ想いを立て直せないような気がした。
(恋人がいるのに、私と旅行に行こうとした過去なんてとても受け入れられない……でも、消化しないと)
今の遥人を信じよう。
結衣は遥人の手に自分の手を重ねた。彼はびくっとした後、そっと握り返して来ふ。
「私……会社以外の才賀君のことを全然知らなかったんだって思い知った。でもこれから知りたいと思う」
「ああ。俺も結衣をもっと知りたい」
遥人の眼差しに熱がこもる。ただ先ほどのように積極的に抱き寄せたりはしない。
まだそんな気になれないと思っているくせに、開いてしまった距離が悲しくもある。
「才賀君が好き。だから……これからは私だけにして欲しい」
こんなことを自分が言うなんて思わなかった。
だけど言わずにいられなかった。どうか約束して欲しい。
もっと強く彼を信じられるように。
心の片隅に生まれてしまった不信感が、早く消えるように。
大好きな彼に、二度と失望したくないから。