求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~


十二月十日の午後三時。連城設計、建築デザイン部のフロアは人がまばらでガランとしていた。

上司は長時間の会議に出席中。建築士の多くは外出しており、残っているのはアシスタントの結衣とまどかだけだった。

と言っても、のんびりは出来ない。

人が少ないと開放的な気分になり、リラックス出来る場合が多いが、今日に限っては外出先の建築士から調べものや、資材の手配の依頼が続いていたのだ。

その上電話応対や他部署からの問い合わせが頻繁だったため、落ち着いて座っている間もなく目の回る忙しさだった。

(ああ疲れた……)

依頼を受けた作業を終えた結衣は、ようやくほっと一息ついた。

延々と鳴り響いていた電話も今はすっかり落ち着いている。

この隙に、休憩したようかなと社内システム画面を閉じた結衣に、隣の席のまどかが話しかけて来た。

「忘年会の詳細決まったんだね」

まどかのPCの画面には、“忘年会のお知らせ”が表示されている。

結衣が昼食後直ぐに作成し、部内の掲示板にアップしておいたものだが、まどかも忙しかったため、今になって見たようだ。
< 171 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop