求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
十二月十日の午後三時。連城設計、建築デザイン部のフロアは人がまばらでガランとしていた。
上司は長時間の会議に出席中。建築士の多くは外出しており、残っているのはアシスタントの結衣とまどかだけだった。
と言っても、のんびりは出来ない。
人が少ないと開放的な気分になり、リラックス出来る場合が多いが、今日に限っては外出先の建築士から調べものや、資材の手配の依頼が続いていたのだ。
その上電話応対や他部署からの問い合わせが頻繁だったため、落ち着いて座っている間もなく目の回る忙しさだった。
(ああ疲れた……)
依頼を受けた作業を終えた結衣は、ようやくほっと一息ついた。
延々と鳴り響いていた電話も今はすっかり落ち着いている。
この隙に、休憩したようかなと社内システム画面を閉じた結衣に、隣の席のまどかが話しかけて来た。
「忘年会の詳細決まったんだね」
まどかのPCの画面には、“忘年会のお知らせ”が表示されている。
結衣が昼食後直ぐに作成し、部内の掲示板にアップしておいたものだが、まどかも忙しかったため、今になって見たようだ。