求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「初めてのキスは、思い出に残るところでって思ってたんだけど」
抑えられなかったと遥人が気まずそうに言う。
「私は嬉しかったよ。ここだって思い出になるし」
結衣の言葉を聞いた遥人が、ぎゅっと強く抱きしめて来る。
「結衣が好きすぎる」
「う……才賀君苦しい」
「あ、ごめん」
苦しかったけれど、ぱっと手を放されると寂しくなる。
(離れたくない……)
先ほど迷っていた気持ちなど忘れ、声にしていた。
「才賀君、部屋に寄って行って?……もっと一緒に居たい」
遥人は動揺をみせ、それから結衣の肩に手を乗せた。
「魅力的過ぎる誘いだけど、今日は帰るよ」
「……そっか」
結衣は落胆して、目を伏せる。
「俺も結衣を離したくないけど、今部屋に行ったら何もしないで帰る自信がない」
「分かってるよ。でも私それでもいいって……」
言葉の途中に遥人にぎゅっと抱きしめられた。
「死ぬほど嬉しいけど、結衣のことを大事にしたいから。もっとゆっくりできる時にしたい」
「あ……そうだよね。ごめん、私。才賀君の都合も考えないで」
遥人は明日と明後日両日とも休日出勤だ。だから会えなくて申し訳ないと言われていたのに、すっかり頭から抜けていたなんて。
「謝るなよ。俺だってこのままこうしていたい。結衣の気持ちは本当に嬉しかったんだから」
「うん……」
抱かれていると遥人の早い鼓動を感じた。頼りのある腕。心地良い温もり。二度と離れたくないと思う。どんどん彼への想いが大きくなる。欲張りなる自分に気付いていた。