求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「さっきの、早く弁解したくて」
「……もしかして元彼女のこと?」
「そう。高野がいろいろ言ってたけど、あの話はほぼ違うから。気にしないで欲しいんだ」
「それを言う為に来てくれたの?……ありがとう」
確かに彼の過去の女性の話で憂鬱になったけれど、こうやって直ぐにフォローしてくれた。
それだけで安心するし、大切にされていると感じて幸せな気持ちになる。
「気にしないようにするから大丈夫。今の才賀君の言葉を信じるから」
そう答えれば遥人も嬉しそうに笑う。
「よかった。結衣が怒ってたらどうしようと思ったんだ」
「やだ、怒らないよ」
なんとなくふたり並んで歩きだす。ほんの数歩で遥人の手が結衣の手に触れ、しっかりと握られた。
(手……繋いでる)
たったそれだけのことだけど、胸の中が温かくなった。彼を凄く好きだと思う。
このままずっと手を繋いで行けたらいいのに。
穏やかな沈黙のまま歩いていると遥人が言った。