求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
定時後の午後七時。結衣は会社近くの居酒屋に早めに向かった。
座敷に掘り炬燵と寛ぎやすい店なので、同期会でよく使う慣れた店だ。

一番乗りかもしれないと思っていたが、高野と亜実が既に到着しており、まだ飲んでもいないのに盛り上がっていた。


結衣に気付いた亜実が、片手を上げる。

「結衣お疲れさまー」

「お疲れさま。随分早いね」

「今日暇だったからさ。高野は幹事だから強引に出て来たって」

「そうなんだ、高野君いつもありがとうね」

「いいって。好きでやってるんだし。それより遥人は一緒じゃないのか?」

高野は背を伸ばして結衣の背後を見遣る。

「うん。まだ仕事が終わってないみたいだったよ」

答えながら荷物を置き、亜実の隣の席に座る。

「何時頃になるって?」

「分からない。忙しそうだから聞かなかったんだ」

結衣が出る時、遥人は梓と何か話し込んでいて、とても入り込める雰囲気ではなかった。

「まさか来ないってことはないよな?」

高野は心配そうに眉をひそめる。

実は結衣も少し不安になっていた。梓に引き止められて間に合わなかったらどうしようと。

でも今までの遥人はそれが遊びだとしても約束は守る人だった。その辺は変わっていないと信じたい。

「多分来ると思うけど……もし欠席だったら高野君に連絡して来るよ」

「あ、そうか」

高野はせかせかとスマートフォンを取り出し確認する。
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