もう一度、I LOVE YOU
はぁー 俺は撃沈


彼女は賢い、いっも拓哉の口癖
だった。

ミクの話は報告しなかった
勿論ミクの出した条件も拓哉には、
言えない‼



彼女は本当に賢い!
絶対出来ない事を条件に出して
くる。
「なんて女だ‼ 悪魔か?」


「どうしたの?」


この間合コンであった華奈子と
良い感じになっていたのに
ミクを知ってからは、
華奈子には何の感情も無くなった。

「今日の勝成、変‼」

華奈子は不満げに抗議する。
もはや華奈子の不機嫌なんて
なんでもない。
気にもならない。

「食事終わったら送るよ。」

「エッ、ホテル行かないの?」

「うん、今日気分じゃない
疲れたのかもしれない。
又連絡する。」

ブスッとした華奈子は

「もういい‼
あんたなんか知ーらないッ」


この間買ってあげたエルメ〇の
バッグを掴みプリプリしながら
出ていった。


何とか2週間を過ぎた頃
拓哉が仕事に復帰した・・・

何となく距離を感じた。
ミクから早く離婚届にサイン
するように言ってと言われてるが
そんな事今の拓哉に言える訳が
ない。


拓哉は淡々と仕事をしているが
吹っ切れたわけも無さそうだ。
今俺がやる事は拓哉を支える
事だ。

傷ついてるのはミクなのに
拓哉が被害者みたいに
なっているのは何故なんだろう。


「拓哉、どうだ‼」

俺はBLACK珈琲を手渡しながら
愛想笑いをしている。

「ああ、勝成か‼
昨日離婚が成立したよ!

《エッ‼》

突然の報告に固まってしまった。

ハハハ
終わると呆気ないもんだな!」

「そうか、いい女だよな!彼女。」

拓哉は驚いた顔をして俺を見た。

「あ、いや、つい、すまん。」

「いや、俺が馬鹿だったんだよ。
離婚届にサインするのが
今アイツにしてあげられる
たった一つの謝罪なんだよ。

子供がほしかったのに

あなたは他所の女とそういう事
してたのね、あなたの子供妊娠
しなくて、良かったわ‼
って言われた時は
流石に参ったよ。」

「ああ、ミクさんも辛かった
様だな、女は子供が産める
年齢があるからな
欲しがって当然だよ。」



「ああ、無くして気付く事って
あるんだな!
子供がいたならミクも考えて
くれたのかな?

俺はミクを避けてたんだって
ミクに言われたよ。
そんなつもり無かったのに、
考えたら、確かに避けていたかも
知れない。

態度に出していたんだな!
ミクが俺を離れる理由ないと
鷹をくくっていたよ。

どっから来る自信なんだかな


時間が経つとミクには
随分酷い事をしていたよ。」



「ミクさんに会ったのか?」

「いや・・・ミクの幼馴染が来て
聞いた。

“年寄り“って冗談でも言っちゃ
ダメだよな!」


「あんな美人に年寄りは
無いワ。」
俺はため息をつきながら言った。

「ああ、なんで葵に手を出して
しまったんだろう。」


「お前葵ちゃんに、惚れてたぞ
傍から見ても、引くくらいにな
既婚者なんだから、独身とは
違うんだぞ‼」

「・・・そうか
そう見えたんだな!確かに
愛おしいと思ったよ。
その時は・・・」

「あのまま付き合ってたら
どうするつもりだったんだ?
彼女の事とミクさんの事‼」


「分からない・・・」

「今は?葵ちゃんをどう思ってる?」

「何とも思わない。
愛情さえ無い‼」

「分かるよ。なんでだろうな!
彼女といると他の女は
魅力を感じ無くなる・・・」


「ああ、気付くのが遅過ぎた。」


「お前ミクさんと別れたんだ
よな‼ 忘れられるか?」



「ああ、そのつもりだ
俺への愛情は欠片もないらしい。

酷い事したからそれは、
受け入れたよ。

離婚は彼女への謝罪・・・だよ。」


「すまん。」

「お前のせいじゃないさ。
俺があの時、葵に惚れてしまっ
た。

ミクの言う通り自業自得
って奴だ。」

フッと、笑う拓哉に言っておかない
といけない気がして遂に口にだした。


「いや、俺がいいたいのは、
そんな事じゃない
俺、ミクさんに惚れた。」

《《は?》》


「お前が引いたのなら
俺が彼女を幸せにしたい。

だめか?」

「だめか?って・・・お前・・・
お前がミクと・・・
ミクがお前を好きなのか?」


「いや・・・そんな簡単な彼女じゃ
無いだろ!

今から努力して手に入れる。
お前が手を引くならもう
遠慮はしない。」


「それは、ミクが決める事だ・・・
ミクの人生、
なん・・・だから。


出来るものならやって見たらいい
ミクに、天地がひっくり返っても
俺に帰る事など無いと言われた。

大嫌いってサ。ハハハ」


拓哉は珈琲をゴクゴクゴクと
勢い良く飲んだ。

プファ😩💨
さーて、仕事仕事」

「お前慰謝料請求されたか?」

「いや・・・
あなたからのお金なんて
いらないから離婚して‼
って・・・サ。」


拓也は大きく背伸びして
寂しそうに笑いやがった。

俺が2人を引き離しミクを泣かせた
張本人と言う事を再確認した。

拓哉に彼女が出来るまでミクには
近づか無いと決めた。


この時までは・・・。

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