【完】淡い雪 キミと僕と
自分で決めた事ならば、何も言いたくはなかったが、本当にそれで良かったのだろうか。

どうせうじうじ悩んで、自分は風俗嬢だったし、とか。風俗を辞めたとしても、過去は消えないし、なんて。下らない事でいつまでもグチグチ悩んでいるのだろう。

いいじゃない。お前はお前で。

井上晴人だって、お前が風俗嬢だって知った上でお前を好きになったんだ。そして、その井上晴人の為にその仕事を辞めようとまで考えたのならば、あいつにとってそれ以上はないんじゃないだろうか?

琴子らしくもない。お前という人間は、悲しい事も豪快に笑い飛ばすくらいが丁度良いのに。
全く、お前の事が好きな俺に、こんな言葉を言わせるんじゃない。

「関係なんて、ぶっ壊しちまえよ」

何言ってんの、この人。と言った感じで目を大きくする。

「付き合うにしろ、付き合わないにしろ
結局何かを壊さなきゃ新しい関係は生まれない。
それならばぶっ壊しちまえばいい。その方がずっとお前らしい」

そこまで言えば、琴子の目が次第に赤く染まって行って、悔しそうに唇を噛みしめた。

そして流れている洋楽よりもずっと大きな声で、こちらに向かい怒鳴りつけた。…鼓膜が破れるかと思ったぞ。


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