【完】淡い雪 キミと僕と

ぬぁーにが、’全然彼氏なんかじゃない’だ。

’友達でもない’だと?井上晴人と会話をした上に、人をただの赤の他人呼ばわりし、苛つく女だ。

あんな事やこんな事をしておいて友達ではないは酷くないか…?

俺を…あの日受け入れたのはアンタだろうが。散々その気にさせておいて、俺はアンタの友達にさえ認定されてなかったって訳か。




キッチンのシンクには真新しいお皿が広げてある。

今日の為にネットで買っておいた物だ。

全く自分の趣味じゃない花柄で統一してみた。アンタは花柄やピンクが好きだから喜ぶと思って。それが何故か突然馬鹿らしくなってくる。

ソファーにどかりと座り込み、窓から真昼間の外の景色を眺める。時計を何度見ても、時間が進むのが遅くてたまらない。

…暇だ。

さっきガチャ切りした電話には琴子からの着信が何件かとラインが通知されていた。

あいつも相当暇人だな。遊びにでも行ってやろうか。けれど琴子んちの琴音は可愛くねーし、俺が家に来たなんて井上晴人が知ったらいくらお人好しなあの男でも良い気分はしないだろう。

…しかし、暇だ。

2LDKのタワーマンションは気に入ってるけど、いつも持て余していた。

ひとりは好きだが、最近ひとりでいてもちっとも楽しくねぇ。

雪と美麗とあのせまっ苦しい空間にいるのに慣れ過ぎた。あそこはなんてーか、暖かい。けれどご自慢のタワーマンションはどこか薄ら寒い。

もうすぐ冬のせいか。


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