【完】淡い雪 キミと僕と
翌日、美麗を会社へ送り自分の会社へ向かう。
とても上機嫌だった。あの美麗が、弁当を持たせてくれたからだ。俺の為に朝早く起きて作ってくれるなんて、実にいじらしいではないか。
けれど会社に着いて直ぐに、不機嫌になるような出来事が待っていた。
社長に直ぐに打ち合わせが入っている、と会議室に呼ばれ向かった先に…
何故か会長まで居て、何人か部署の人間がパラパラといて、そして篠崎社長と菫までがいたからだ。
彼女は俺の姿を見つけるとニコリと微笑み、そして直ぐにパソコンに目を向けた。
どうやら、新しく施設内に入るボヌールの会議らしい。何も聞いていない。と、いうか俺ここに必要?とも思ったけれど、祖父は驚く事を口にした。
「今度篠崎リゾートから出店するボヌールは、菫さんがメインになってるプロジェクトらしい。
大輝にはその件についてのサポートを頼みたい。という事で、菫さんとの仕事は大輝に任せると言う事だ。」との事。
祖父が仕組んだに、違いない。この老害が…よくも…と睨みつけたが、菫は一切笑顔を崩す事なく「大輝さんよろしくね」などと抜かす。
こんの、狐と狸め…。大体これは俺が関わるような仕事でも無かろうに…。そういうのは、もっと相応しい事業部があるだろう…。とは言えず、菫さんの言葉に曖昧に笑った。
「今回新しく西城グループのホテルに出店しようと思っているお店は、女性ターゲットを狙っている創作イタリアン屋さんです。
コンセプト的には、不思議の国のアリスのような、お伽話に出てくるような可愛らしいお店にしたいと思っているんですが…
旅行に来た家族連れの子供にも喜んで貰えると思っています」