【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第12話
(ガシャーン!!)

2018年8月22日の朝7時50分頃、オレンジタウンのダンナの家の窓ガラスが投石によって割れた。

「オラー!!しゅうさく!!出てこい!!」

投石の後、やくざの男の怒鳴り声が聞こえた。

ブチ切れたダンナは、刃渡りの鋭いナイフを持って外に出た。

「コノヤロー!!もういっぺん言ってみろ!!」

ダンナは、刃渡りの鋭いナイフでやくざの男5人を次々と剌した。

4人の男が殺された。

残った一人の男が、苦しい声で『オドレしゅうさく…やくざに焚き付けて行ったのだから…タダですむと思うなよ…』と言い残して死んだ。

8月6日の深夜にダンナが殺した男性客は、彼らのシャテイであった。

この時、ダンナがやくざのシャテイと乱闘事件を起こしたことが発覚した。

降り悪く、武方さんが事件現場を目撃したので、顔が真っ青になった。

武方さんは、あわてた表情で県庁前のファミマにいるアタシに会いに来た。

この時、アタシは新しく来たお弁当を入れ替える作業が完了したので、古い方のお弁当が入っているキャリーを外へ出していた。

そんな時に武方さんが突然やって来て、わけの分らんことを言ったので、アタシは思い切りキレていた。

「あのね!!アタシはやくざに焚き付けて大ゲンカを起こしたダンナはもう助けることはできないのよ!!なのに、どうしてアタシのところへ来て助けてくれと言うのよ!!アタシの気持ちはパンク寸前におちいっているのよ!!けいさくが起こした立てこもり事件で、アタシはボロボロに傷ついているのよ!!帰ってよ!!」
「とし子さん…この通りお願いです…しゅうさくさんは苦しんでいるのだよ…とし子さんに助けを求めているのだよ。」
「アタシはダンナからきついDVを受けたことが原因で心身ともにズタズタに傷ついているのよ!!どうしてアタシに無理ばかりを押し付けるのよ!?」
「とし子さんのつらいお気持ちはよくわかるけれども…」
「アタシのつらい気持ちが分かるのであれば、明日にでも離婚届けを持って来てよね!!手遅れになる前にダンナに離婚届けを書かせなさいよ!!」
「分かっているよぉ…だけどね…その前に…」
「断固拒否するわよ!!アタシは、甘ったれクソバカ虫ケラ以下のチャイルドと話し合いなんかしたくないわよ!!」
「離婚したいのであれば、話し合いをして決めた方がいいよと言うているのだよ。」
「断固拒否すると言うたら拒否するわよ!!だいたいなんのために話し合いをするのか分からないわよ!!」
「だから、財産分与の問題があるから話し合えと言っているのだよ!!」
「アタシは、カネなんかほしくないわよ!!アタシは、スッパリと別れたいと言ってるのよ!!」
「気持ちは分かるけど、もう一度だけしゅうさくさんと会って話し合いをしたらどうかと言うているのだよ!!…しゅうさくさんは、とし子さんにきついDVをふるったことを後悔しているのだよ…あやまりたいと言うているのだよ。」
「ダンナがどんな形で取りつくろうとしてもダメなものはダメよ!!ダンナが焚きつけて行ったやくざは、アタシの知人の組長の子分たちよ!!アタシの知人のかわいいシャテイを殺されたので、怒り心頭になっているのよ!!あんたのことは一生うらみ通すから覚悟しておきなさい!!」
「私は、しゅうさくさんと話し合いをしてみたらどうかと提示しただけだよ。」
「だから拒否すると言うたでしょ!!あんたはアタシとダンナが離婚したら困る理由があると言いたいのかしら!!」
「困る理由があるからとし子さんにお願いしているのだよぉ…」
「困る理由は、家のことだと言いたいのかしら!?」
「そうだよぉ…」
「アタシは、両親がダンナの家の建築費用を出したことを怒っているのよ!!」
「その時は…しゅうさくさんは年収が少ないからローンを組むことを渋っていたのだよ…そんな中で誰に頼むのだよぉ…」
「ダンナは汚いわよ!!自分カタの実家に頼めないから、人の家に頼むなんて汚いわよ!!」
「ちがうよぉ~」
「それじゃ、なんでダンナはアタシの両親を頼ったのよ!?」
「しゅうさくさんは、自分カタの実家にエンリョしていただけだよ。」
「だからアタシの実家の両親に頼んだわけなのね!!だからアタシとダンナは離婚をしたら困ると言いたいのね!!」
「とし子さん、私は間に入ってあげるからもう一度しゅうさくさんと話し合ってもほしいと言うているのだよ…」
「拒否するわよ!!」
「拒否するだと!!」
「当たり前でしょ!!」
「どうして、私の提案をとし子さんは断るのだ!!」
「あんたがダンナの家とアタシの両親の肩ばかりを持つから拒否されたのでしょ!!」
「私は、間に入ってあげるからダンナと話し合えと言っているのだよ!!話し合えと言ったら話し合え!!」

思い切りキレたアタシは、両手で武方さんをつきとばして倒したあと、キャリーで武方さんの頭を思い切り殴り付けた。

目を真っ赤にしてにらみつけているアタシに対して、武方さんは『私を何でにらみ付けるのだね!!』と言うたので、アタシは武方さんに言い返した。

「帰ってよ!!」
「かっ…帰れだと!!」
「人の職場に居座る気ならば、組長に電話するわ!!命を守りたいのであれば帰んなさいよ!!」
「いいや!!帰らない!!」
「帰んなさいよ!!」
「とし子さんがしゅうさくさんとの話し合いに応じると言うまでは帰らない!!話し合えと言ったら話し合え!!」
「ほんなら死にたいのね!!よくわかったわよ!!今、あんたのすぐ近くに黒のシボレーが停まっているわよ…アタシの知人の組のチンピラに愛人に会ってこーわい!!」

アタシは、店から出てきたチンピラ数人のもとへ行ったあと、武方さんを始末してと頼んだ。

その後、白のスーツでリーゼント頭のチンピラが武方さんのもとへ詰め寄った。

「コラ!!」
「何をするのだ!?」
「よくもオレのレコ(女)につきまといしたな!!」
「私は、つきまといなんかしていない!!」
「なんだとコラ!!」

武方さんは、リーゼント頭のチンピラを殴り付けた。

「おっさん、わいらにゴロ(けんか)を売る気だな!!」
「上等だ!!」

チンピラ連中に殴りかかって行った武方さんは、返り討ちにあった。

アタシは、チンピラ連中から集団リンチを受けている武方さんを冷めた目つきで見つめていた。
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