wedding day
「何のご用ですか?」

オーロラは仕事のこと以外劇団の人とあまり話すことはない。オーロラに声をかけられることも仕事のこと以外なかった。

「私、あなたの秘密知っちゃったんだけど」

「秘密?」

オーロラの体が震える。その人は一歩オーロラに近づいた。その顔は歪みきっている。

「あんたさ、犯罪者の娘なんでしょ。私の親は警察だから簡単にわかっちゃった」

「そんな……」

ガラガラと足元が崩れていく気がした。オーロラの体は震える。平和な日々が消えていくことにオーロラの胸に恐怖が押し寄せた。

「これバレたらまずいよね?だったらさ、私にお金貸してくんない?」

オーロラの肩が掴まれる。その人はニヤニヤと笑いながら続けた。

「私、ブランド物買いすぎて金欠なんだよね〜。お金貸せよ」

秘密をバラされるのは困る。オーロラは諦めて財布を出そうとした。その時ーーー。

「何をしているんですか?」

凛とした声が響き、オーロラが横を見ればエヴァたちがいた。オーロラの心臓がドクンと鳴り響く。
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