魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜
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「また来たのかい?君も懲りないね」
明くる日に屋敷の玄関を叩くと、困ったような表情のヴァルトさんが出迎えた。
再び応接室に通され、対面するようにソファに腰掛ける。
「今日は、魔王様は一緒じゃないの?」
「はい。ルキは城での用事ができてしまって」
ルキは、魔界に出入りしていることが大臣に伝わり、城に戻るよう催促を受けてしまった。
だが、頑なに断るルキに大臣側が折れ、せめて魔界情勢についての報告や今後の対応などの相談がしたいと、一週間ほど城に滞在することで落ち着いたのだ。
「当分、ルキは城にカンヅメ状態なので、これからは私ひとりでお邪魔しますね」
「はは。まさか、俺が承諾するまで通うつもりかな?まぁ、ミレーナちゃんのような可愛い女の子ならいつでも歓迎するよ」
こうして、単独でのスカウトに臨んでいるのだが、相変わらず、のらりくらりとかわされる。冗談なのか本気なのかわからないセリフを口にする彼は、飄々としていて掴みどころがない。
負けるものか。プレゼンでなんとか心を掴んでみせる!
「さっそくですが、こちらをご覧ください。これがレストランの外観です。店内はお洒落なバーカウンターがあって、キッチンも広いんです」
「へぇ、落ち着いた雰囲気が素敵だね。それにしても綺麗な写真だ。ミレーナちゃんが撮ったの?」
「はい。カメラが趣味なんです。モデルになっていただけるなら、いつでもお撮りしますよ」
「本当?せっかくだからお願いしようかな」