魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜
うまくレストランから話を逸らされるものの、極上の被写体に、ついフォトグラファーの血が騒ぐ。
画角を変え、何枚かポーズを撮ってもらいながら遊ぶふたり。楽しそうな彼は意外とノリノリだ。
「どう?いいの撮れた?」
「バッチリです!俳優さんの宣材写真みたいです」
「はは。褒めても何も出ないよ」
その時、テーブルの上にティーカップが置かれた。視線を向けると、昨日出迎えてくれた華奢な女性がにこりと笑う。
深々とお辞儀をして出て行く彼女。
その背中が見えなくなった後。ソファに腰掛けて優雅に紅茶を飲むヴァルトさんに尋ねた。
「この屋敷で働いているのは、彼女だけなんですか?」
「あぁ。シルキーといってね。知能があまり高くなくて会話はできないんだけど、言いつけは必ず守るし、仕事も良くしてくれるんだ」
こんな広いお屋敷の雑務をひとりでこなしているなんて、相当腕の良いメイドさんのようだ。聞けば、彼女は見た目よりも力持ちで、防犯システムも兼ねているらしい。