仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
【仁 side】
ここに陽愛ちゃんと残るって決めた俺は、ここに残る奴らに話をして準備をしてもらっていた。
「陽平くん大丈夫かなぁ……?あっちは多いんだよねっ?」
「まぁね。だけどすぐに陽が来るから安心して。きっと、もうすぐ来るよ。」
……陽が向かったのは更地になってる公園だ。時間稼ぎのつもりだろうけど、陽愛ちゃんが言う前に響が気付いてだなんてな。
まぁ、陽愛ちゃんは場所を知らされてなかったらしいけど。
すると、たくさんのバイクが走って来る音が聞こえてくる。
「よし!おめーら、一発で仕留めろよ‼︎」
……と、言うのは俺じゃない。だって、陽愛ちゃんが驚いてるから。
「響くん……だよね?」
「うんそうだよ。ガラッと変わるでしょ?」
まぁ普段の彼からは考えられないくらいに性格が違いすぎる。
……って呑気に話してる場合じゃない。
俺は陽愛ちゃんを守らなきゃいけないんだから。
俺の役割は、お姫様を守ること。
指一本だって触れさせない。
「陽愛ちゃん、俺から離れないでね。」
「うん……仁くん」
彼女がまた笑顔を見せてくれるように、ね……。