仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


【仁 side】

ここに陽愛ちゃんと残るって決めた俺は、ここに残る奴らに話をして準備をしてもらっていた。

「陽平くん大丈夫かなぁ……?あっちは多いんだよねっ?」

「まぁね。だけどすぐに陽が来るから安心して。きっと、もうすぐ来るよ。」

……陽が向かったのは更地になってる公園だ。時間稼ぎのつもりだろうけど、陽愛ちゃんが言う前に響が気付いてだなんてな。
まぁ、陽愛ちゃんは場所を知らされてなかったらしいけど。

すると、たくさんのバイクが走って来る音が聞こえてくる。

「よし!おめーら、一発で仕留めろよ‼︎」

……と、言うのは俺じゃない。だって、陽愛ちゃんが驚いてるから。








「響くん……だよね?」

「うんそうだよ。ガラッと変わるでしょ?」

まぁ普段の彼からは考えられないくらいに性格が違いすぎる。

……って呑気に話してる場合じゃない。
俺は陽愛ちゃんを守らなきゃいけないんだから。

俺の役割は、お姫様を守ること。

指一本だって触れさせない。


「陽愛ちゃん、俺から離れないでね。」

「うん……仁くん」

彼女がまた笑顔を見せてくれるように、ね……。



< 186 / 283 >

この作品をシェア

pagetop