仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
【陽愛 side】
ギギギィ━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎
倉庫が開く音が聞こえる。遂に来たんだ……月輝vs.日向会…いや、
………月輝と私の戦いが今始まろうとしている。
「やぁ、日向会の皆さま…と裏切り者のお姫さま?」
……っ!
やっぱり私は、裏切り者なんだ……彼らを見るのが怖くて下を向こうとする。すると、仁くんが強く私の手を握った。
「陽愛ちゃん、大丈夫だよ。俺らは絶対陽愛ちゃんが裏切るような子じゃないってわかってるから。全力で守ってみせるから……必ず前を向いてて。俺らを導く光になって。」
小声で仁くんに言われて前を向いた。すると、みんなが一瞬だけど笑ってくれて……私にとってもみんなが太陽だよ。
「みんなっ…頑張って!」
太陽なみんながもっと暖かくなるように、私は頑張るよ。みんなが輝けるように、みんなでまた笑えるように。
「おー!!」
倉庫にいる仁くんも含めた彼ら全員が手を腕にあげ、私を見て笑った。
「……ありがとう、姫。」
そう、仁くんが私に言うと今度は日向会に向かって叫んだ。
「おめーら!!日向会の名に懸けて、一発で仕留めろよー!!」
そう言い、指を鳴らすと彼らは月輝へと目を向けた。