仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


「そういえば、ごはん食べてないよな。外で食べる?目真っ赤だけど」

「え……いいの?」

「うん、陽愛が良ければの話だけどさ。」


思いがけないお誘いに私は思い切り頷いた。外で食べるなんて、初めてだ。というか、外食すら初めてだよ。


「じゃあ、車で行こうか。行こ。」

ちょっとだけオシャレをしようと家から持ってきたワンピースを着る。


「なんか、雰囲気違う……?」

「え?変かな?」

「似合ってるよ、陽愛。」


『似合ってるわよ、可愛いね。』
『可愛い、陽愛。陽愛っぽくて似合ってるよ』
そう言われてワンピースを買った日に言われた言葉を思い出した。


私、なんでこの服にしちゃったんだろうか……辛くなるだけなのに。






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