モノクロリバーシブル
「春明、ちょっと良い?」

ゆっくりと襖を閉めて、母さんは正座する。

「……早いけど、春明なら大丈夫かもしれないから言うんだけどさ。春明は、陰陽術が苦手だよね」

その言葉に、僕は頷いた。

「……なら、これを」

母さんは、見覚えのある刀を僕の前に置く。

「つ、月影丸!?」

僕が月影丸の柄を握ると、月影丸は光に包まれて消えていった。

「……へぇ、その刀……月影丸って言うんだ。その月影丸、神様とやらから授かった。物の怪を倒せるようにして、春明に渡してやれって……。それと私の独自の判断だけど、弥勒くん。春明の式神にならない?」

その言葉に、僕と弥勒は驚く。

「式神になれば、もっと物の怪を倒しやすく、春明をサポートしやすくなる。どう?」

母さんは、まっすぐに弥勒を見つめた。弥勒は、「うん」と即答する。

「……そっか。分かった。じゃあ、2
人ともこっちへおいで」

母さんは、立ち上がると僕と弥勒について来るように促した。



「……でまぁ、弥勒は僕の式神になったんだよ」

僕が話し終えると、潤は「……神様って、どこにでも現れるのな」と苦笑する。

「今思えば、そうかも。とりあえず、秋彦を探さないと……」

僕は、いつの間にか来ていた教室に足を踏み入れた。
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