結婚前提で頼む~一途な御曹司の強引な求愛~
「あの、榛名先輩、これは」
小箱はチョコレート菓子だ。しかも、コンビニで見かけた新作。後ろ姿に尋ねると、ぶっきらぼうな声が返ってきた。
「業者からもらった。いらなければ捨てろ」
「いえ……ありがとうございます」
いらないものの処理とはいえ、チョコレートは嬉しいな。あれ?これって優しくされてる?いや、まさか。えへへ、でもあとで食べよう。
自分の中で、少しだけ元気な成分が湧いてきた。うん頑張れそう。
すると、榛名先輩がつかつか引き返してきた。
「言い忘れた。別件、今夜残業だ」
「え!?」
「ヒナタテレビが枠増やすと突然言ってきた。俺はこれから外出だから、戻って教える」
ヒナタテレビ……民放大手、榛名先輩は定期的に仕事もらってるけど、私が担当することになったらどうしよう。テレビ局は広告枠を持っていて、その枠全体を私たちに投げ埋めるように依頼することは多い。私たちはクライアントを選定し、営業をかけ、そして決まった枠の内容をテレビ局側にプレゼンする。そこから各班に仕事をまわしてクライアントひとつひとつとやりとりをしていくことになるだろう。
そんな大口の仕事、私には無理では?私の不安げな顔に榛名先輩が勘違いして言う。
「何か用事があるならいい。勉強になるから教えようと思っただけで」
用事はないけど、担当したくないので関わりたくない。とはいえない。
まって、よくよく考えてみて、こんなに大きな仕事を私ひとりでやるはずはない。先輩は私の能力を過信しない。
チョコレートもらっちゃったし、残業するよ!
「大丈夫です。頑張りますのでよろしくご指導ください!」
私は大きな声で返事した。
小箱はチョコレート菓子だ。しかも、コンビニで見かけた新作。後ろ姿に尋ねると、ぶっきらぼうな声が返ってきた。
「業者からもらった。いらなければ捨てろ」
「いえ……ありがとうございます」
いらないものの処理とはいえ、チョコレートは嬉しいな。あれ?これって優しくされてる?いや、まさか。えへへ、でもあとで食べよう。
自分の中で、少しだけ元気な成分が湧いてきた。うん頑張れそう。
すると、榛名先輩がつかつか引き返してきた。
「言い忘れた。別件、今夜残業だ」
「え!?」
「ヒナタテレビが枠増やすと突然言ってきた。俺はこれから外出だから、戻って教える」
ヒナタテレビ……民放大手、榛名先輩は定期的に仕事もらってるけど、私が担当することになったらどうしよう。テレビ局は広告枠を持っていて、その枠全体を私たちに投げ埋めるように依頼することは多い。私たちはクライアントを選定し、営業をかけ、そして決まった枠の内容をテレビ局側にプレゼンする。そこから各班に仕事をまわしてクライアントひとつひとつとやりとりをしていくことになるだろう。
そんな大口の仕事、私には無理では?私の不安げな顔に榛名先輩が勘違いして言う。
「何か用事があるならいい。勉強になるから教えようと思っただけで」
用事はないけど、担当したくないので関わりたくない。とはいえない。
まって、よくよく考えてみて、こんなに大きな仕事を私ひとりでやるはずはない。先輩は私の能力を過信しない。
チョコレートもらっちゃったし、残業するよ!
「大丈夫です。頑張りますのでよろしくご指導ください!」
私は大きな声で返事した。