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朝早く起きたら負け

―優乃は朝早く目が覚めた。

 「うわっ...まだ5:32...」


少し新聞配達のバイクの音でかすかに,すでに起きていた気がする。

楽しみ過ぎて会議(計画)なのに早く起きてしまった...

 「じゃあ,今日と明日のお洋服。決めちゃお★」


下で寝ている家族を起こさないようにそっと

声を出しながら大きな音を出さないように

頑張って洋服を選んだ。

(猫カフェだと白い服は辞めた方が良いかなぁ...)


と思いつつ。。。

~今日のコーデ~

①薄いカーディガン

②グレージュなワンピースにベルト

③カジュアルなボトムス

④クリアのサンダル

⑤ターコイズ色のイヤリング

と決めてヘアアレンジは「ハーフアップ」にした。

~明日のコーデ~

①白いチュールの花柄トップス

②黒のショートサロペット

③スポーツシューズ

にヘアアレンジは「くるりんぱのポニーテール」...

お出かけにちなんでプリーツスカートと迷ったが

歩きやすいズボンに厚底のないスポーツシューズにした。


少し眠くなってきた頃,

優乃は少しの間ベッドに潜り込んでぬくぬくした。

 「あったかぁ~い‼」


心地がよく眠りに落ちてしまった。

寝落ちとは遥か遠いが...

    *    *    * 

「―ん...」


何だか頭が痛い気がする...

寝過ぎたかな?と思いながら

起きると時計はAM10:00をまわっていた。

 「あっ。ヤバっっ」


 「朝ごはん♪食べないとっ」


フライパンに卵を割り落とし

火のジュウジュウした音が響く―

丁度3分経った頃半熟になりとろみが出てきた。

トースターにはすでに狐色に焦げたトーストが入っている。

お皿にのっけて,はふはふとして食べる。

目玉焼きのとろやかな白身とソースがグラデーションしている。

パンの焦げ目が黒豆きなこのマーガリンと合わさって

思わず声に出してしまいそうな良い香りがする。

 「支度しなくっちゃ...」


急いで顔を洗い,朝決めた洋服に着替えた。

日焼け止めをぬってさっそく色付きリップで潤す...

色がピンクになるだけで気分が整うからだ。

学校で出された宿題をマイペース程ではないが

音楽の音量を小さくする。


 「お昼ご飯だよ~優乃こっち来て~」


ハイテンションな声で通り過ぎた母は

いつもより美味しくできたよ♪っていう顔を見せる。

 「さっき味見しちゃったんだけど...美味しかったよ‼」


自慢げに見せた顔を反らして湯気がわいた

‘’ミートドリア‘’から私にも目が離せなかった。

それはまるで雪がかった白い地面に太陽の光を浴びて

綺麗な薄い焦げ目を出したかのような

とろっとろの‘’チーズ‘’だった。

ミニのお皿にたっぷり並々と入っていて

普段ご飯の合間にお茶を挟んでいた自分も

1回も飲み干さなかった。

美味しくって美味しくって幸せだった...


―まもなく約束をしていた時間。

ミートドリアのソースが付いてないか鏡でチェックしながら

今朝使った色付きリップで唇を潤す。

すっぴんの唇より血色が良い方が圧倒的に印象が変わる。

真っ赤なダンスの発表会でするようなティント系はNG!

色々な経験を積み重ねて

 『外出はピンク色』


   『学校ではヴァセリン(ワセリン)』


を使う。

流行系のアウターを着て

ミニ巾着のファーショルダーを肩にかける。

 「いってきまぁすっ‼」


大きな声と共に負けずに

クリアのサンダルが厚底のように音を響かせる。
 

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