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睡眠力のprinces

 
 「―あれっ?(頭の中)」


優乃は目を覚ました。

どうやらいつの間にか寝ていたようだ...

 「えっ...今って......」


額に汗が滲むことが自分でも分かる。

段々焦りだした―

おそるおそるスマホへ手を差し出す。

大きな時計の針を見て、大慌てするよりも

小さな画面越しから数字が見える方が優乃には少しでも良いと感じた。

こういう出来事は体験したことは何回もある優乃。

焦りを消しながらマイペースにおっとりと行動した。

辺りはそよ風が吹きながらも空が薄暗くなり、

遠くの小さな鳥が清々しくふわふわと舞い上がっては

左右に羽をばたつかせる。


―夢を見ていた。

現実にないようなとんでもなく恐ろしい夢。

ホラー系の怖さではなく、

大切...だと思っていた友達が裏切る行為を夢の中で透明人間として

見てしまったのだ。

これは夢だ。

と夢の中で連想していたが

自分の脳内にはなぜか流れずにうなされていた。


...間違いなく夢だった。

それはまるで胸がはち切れそうな位残酷で

想像以上に体験するとズキッと心が痛む。

優乃は本当のことではない。

と思い込みながら飽き飽きとしんどそうに

朝の支度をした。

今日はなんだか風邪を引いたみたいに

だるくて...心が狭くなる自分が馬鹿らしく思える。

‘’たかが夢だ‘’こんなことでくじけちゃいけない。

と心に刻み、耐えた。落ち着いて...落ち着いて...

自分に言い聞かせるように。


なんとなく落ち着いた頃、残った余り時間を使ってリラックスをした。

マッサージをしたりして。

夢の中で出会った凛と香音を思い出しながら―

 「はぁ...」


声に出した深いため息を自分で解釈して

どれほど辛いのか確かめる。

小顔や美脚になるマッサージをアロマで癒され、

クリームで癒されながら時は一刻と集まらなければいけない

‘’約束‘’という縛られた罠に引っ掛かれないように

夢という正夢的な物を有効的に使った。
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