先輩とお付き合いはじめました。



自分の机の前まで歩いてブレザーを簡単にたたんで置く。


チョークなんてつけたくないからね。


そのあとに教卓まで目指してテクテク行こうと思ったけれど、私のもとにきて腕をつかむ先輩がさせてくれない。



「せ、先輩。どうしました?」


「………無視しないでほしいんだけど」



すねたような声を出す先輩に目をパチパチ。


……先輩って可愛いとこあるんですね。



「でもまだ仕事が残っているので…」

「じゃあ早くやってきて」



あ、はい。 頑張ります。


腕にかかった力がなくなって前に導かれる。


黒板消しをもって変にチョークの跡がつかないように綺麗に消していく。


この瞬間結構好きなんだよね。
< 29 / 65 >

この作品をシェア

pagetop