先輩とお付き合いはじめました。


……………。


そうでした、忘れていました。

私じゃ一番上まできれいに消せないんでした。


数学を教えている三室先生は背が高くて上下左右しっかりと使う。


美咲が真っ直ぐ手を伸ばしてギリギリだったのに160cmない私が出来ないのはちょぅと考えればわかったことだ。


はー、とため息をつく。

仕方ないな、いすに助けてもらおう。



顔を上げれば先輩と視線が交わる。


「消そうか?」


先輩がつぶやく。

確かにいすを移動させるのは面倒くさいしな。


「お願いします」


頭を下げると近くにきた先輩がパパっと消してくれる。




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