先輩とお付き合いはじめました。
「あ、ありがとうございます」
黒板消しを受け取ってクリーナーにかけてもとあった場所に戻すとパンパンと手を重ねて粉を落とす。
これで日誌を持っていけば終わりかな。
持っていきましょうと言うために振り向けば手を大きく広げて待っている先輩。
「先輩、抱き着けってことですか?」
何も言わず、ただ頷かれる。
さぁどうしようかと悩んでいたら気が長くない先輩に手を引かれて体が傾き受け止められる。
肩に頭を置く先輩に抱き着かれたのはこれで二回目。
これは癖なのかな。
前は優しく包んでくれるように抱きしめてくれたのに対して今は少し力を入れて抱きしめてくれる。
「啓太って知ってる?」
「はい、先輩の友達ですよね」
有名な二人を知らないわけがないですよ。