先輩とお付き合いはじめました。
「じゃあ、天陽の家行ってくれない?」
「え、何かあったんですか?」
質問に質問で返してしまったけれど仕方がない。
それに思わず、食い気味になった。
「いや、それがね…」
・ ・ ・ ・ ・
ピーンポーン
«南雲»とある表札を確認して鳴らす。
っていうか、いきなり来ちゃったけど。
自分の格好を見ながらあたふたする。
「はい、」
インターホンからこもった声が聞こえる。
どうやらまだ私に気づいていないみたいだ。
「あ、あの!立花萌音です」
こんなときにどう名乗ればいいのかわからなくて、ついフルネーム。
すると、ガタガタという音が聞こえる。