慈愛のケモノ

カフェに入るとふわりとコーヒーの香りがした。落ち着く。

映画の内容、結局富山さんは当て馬みたいは役で、結ばれてはいなかった気がする。

ランチセットが書かれた看板を見ながらそれを考える。隣を見るとぶつぶつと何か呟いている真希。

「真希、何食べるか決まった?」
「え、あ、うん!」

お互い好きなホットサンドを注文して、テーブルに着く。一口コーヒーを飲むと、決意したように真希がこちらを見る。

「とりあえず、琉花のこと入れとくね」
「うん、明日には退会して良い?」

なに言ってんだ、という顔をされた。


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