仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
あまりのおいしさに興奮しながらふた口目に突入。今度はさっきよりも深く口に入れた。
宇賀とカメラ越しに目が合った気がして咄嗟に顔を背ける。隼は被写体としても抜群だろうが、自分は背景としても不十分。撮影なんて本当に厄介だと優莉は不満でならない。
「カメラが気になるのか」
優莉の変な挙動に気づいたのか、隼が宇賀を見てから視線を戻す。
「気になりますよ。全社員に見られるんですもん」
こんな企画を考えたのは誰なのだ。
「まぁそうだよな」
「この企画、何回目ですか?」
慣れている様子から察するに今回が初めてではなさそうだ。
「二回目。前回は男とのデートだった」
隼の苦笑いに優莉も笑う。抽選だからそうなる確率は二分の一だ。