仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~


「どんなデートをしたんですか?」
「そのときは真夏だったから男ふたりで海水浴」
「え!? ふたりで海に!?」
「肌を小麦色に焼きたいっていうリクエストだったんだ。水着と巨大なサメのフロートを買いながら海に直行」


隼は人差し指を使ってゴーサインのようにした。


「なんだか楽しそうですね」


大盛り上がりで海に向かう()が浮かぶ。


「ナンパばっかりでうんざりしたよ」


隼が肩をすくめてからサンドをひと思いに口に入れる。包み紙を丸めて袋にポンと投げ入れた。


「あぁ社長ならそうなるでしょうね」


歩くだけで様になるような男だ。ナンパの聖地とも呼べる海ならなおさらだろう。
今だって前を行き交う人たちの視線はチラチラと彼に向けられている。目が吸い寄せられ、見ずにはいられないのだろう。


「モテるのも大変ですね」
「キミは俺にはまったく興味がなさそうだけどね」

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