仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
優莉の座右の銘ともいえるワードが隼の口から飛び出した。
「そうなんですよ。私は救われっぱなしです」
クールブロンで働きはじめてからは特に。お昼や夜に出されるまかない飯のおいしさといったらない。生まれてきてよかったぁと思うのは決してオーバーではないのだ。
「それに社長だって、私みたいな小娘には興味がないでしょうからイーブンです」
洗練しつくされた大人の男である隼と、大学を卒業したての優莉。女子としてはともかく、女性としては見られないだろう。
「入社一年目だっけ?」
「ふぁい」
サンドを頬張りながらうなずく。
「となると、ひと回り違うのか?」
「私は来月、二月の誕生日がきたら二十三歳です」
ゴクンと飲み込んでから答えた。