仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
独断で決めホットのお茶を三本購入。もちろん宇賀の分もある。隼の気遣いを見た後で彼の存在を無視するわけにはいかない。
優莉が小さなペットボトルを抱えて戻ると、隼はふたりの女性に話しかけられていた。
ほんの数分離れていただけで声をかけられるのだから、隼の容姿端麗ぶりは正真正銘のものだ。
すごいなぁと思いながら三人の様子を少し離れた場所でうかがっていると、隼が立ち上がってやって来た。
「悪いけど今デート中なんだ」
ふたりの女性に爽やかスマイルで言い置き、優莉の腰に手を添えて歩きだした。
つい「ひゃあ」なんて声が出てしまい、隼が自分の唇に「しー」と人差し指をあてる。
顔がいきなり近づいたものだから、どぎまぎさせられた。
「ナンパですか?」
こっそり聞くと、「ああ」と短い回答だ。
「さすがですね」
「なにが」
「ちょっとの間にナンパされるなんて」