仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
もしかして水族館へ入るつもりなのか。サンドを食べたら終了だと思っていたため、行動が読めない。
「でも時間がないって」
優莉のアパートに迎えにきたときにそう言っていたはず。
「予定はあくまでも仮の計画。変更になる可能性があってあたり前だ」
「それはそうですけど。大丈夫なんですか?」
「キミは心配しなくていい」
隼がそう言うのなら優莉は従うだけ。もともと今日はこの企画のために一日予定を空けてある。そもそも休みの日でも特別な用事は普段からないに等しいけれど。
それに水族館は久しぶり。お腹も満たされたし、美しい熱帯魚を見るのもいいかもしれない。
青い光に満ちた館内に足を踏み入れると、シロイルカのレプリカが優莉たちを出迎えた。記念撮影スポットらしく、列を作って順番を待つ人がいる。
「社長、あそこで花崎さんと写真撮影しましょう」